樹種や材料の特徴についてTree species / Materials

家具づくりには材料となる木材が欠かせません。
木材には樹種によって様々な特徴を持っており、その木目は一本一本に個性があり、まるで人の表情のようです。
家具がどんな材料によって作られたかを知ることで、取り扱い方や楽しみ方が変わってきます。
このページでは当店で取り扱いのある家具の材料である各樹種の特徴の紹介と、
家具材として使われる突板や無垢材のそれぞれの特徴をご紹介します。

樹種について

当店では取り扱いのある樹種は、以下の種類になっています。
それぞれ色味や材質に特性があり、年を重ねるごとに味わいが増していきます。
是非それぞれの樹種の特徴を知っていただき、お気に入りの素材を見つけていただければと思います。
また木目には節や樹種によってはガムポケットと呼ばれる樹液が硬質化して黒い斑点となったようなものがある場合がございますが、
天然素材の個性として楽しんでいただければと思います。

ウォールナット

ウォールナットWalnut

北米が産地のクルミ科の広葉樹で、チークやマホガニーと並ぶ三大銘木の一つで、高級家具の素材の代名詞として知られます。
衝撃に強く、硬く粘りがあり、軽量で加工性にも優れていることから家具材としてだけではなく、楽器や銃床などにも利用されています。木肌は最初は紫みのかかった濃い褐色から年とともに紫みが抜けて赤みが入り、少し明るめの茶色へ変化していきます。

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ブラックチェリー

ブラックチェリーBlack cherry

北米が産地のバラ科の広葉樹で、日本のサクランボと比べ、黒っぽく大きい実がなることで有名な樹種です。燻製のチップとしても馴染みのある樹種で、最大の特徴は、ガムポケットと呼ばれる、樹液などが硬質化した黒い斑紋が木目に表れる点と経年変化による大きな色みの変化です。最初は淡い薄桃色の木肌が経年変化とともに赤みを増して、飴色の濃い褐色に変化します。変化とともに味わいに深みが増していきますので、その変化を楽しめる材です。

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ホワイトオーク

ホワイトオークWhite Oak

北米が主な産地であるブナ科の広葉樹で、複数の種をまとめてオークと言いますが、その中でも木肌の色が少し白みがかっている淡い黄白色のものがホワイトオークです。少し荒々しさのある木目が特徴で、虎の縞模様のような虎斑(とらふ)と呼ばれる模様が表れることがある樹種です。耐久性と耐水性に優れ、腐食にも強いため、ウィスキーの酒樽としても使われてきました。経年変化も少なく、時間が経つととともに若干色は濃くなりますが、変化は少ない樹種です。

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レッドオーク

レッドオークRed Oak

北米が主な産地であるブナ科の広葉樹で、複数の種をまとめてオークと言いますが、その中でも木肌の色が少し赤みが強いものがレッドオークです。少し荒々しさのある木目はホワイトオーク同様に特徴で、虎の縞模様のような虎斑(とらふ)と呼ばれる模様が表れることがある樹種です。耐久性はややホワイトオークに劣りますが、木目の印象などホワイトオークに近く、ホワイトオークの価値が増してきた影響で代用品として使われることが増えました。経年変化は時間とともに少しずつ赤みが増してきますが、他の樹種と比較すると影響は少ないです。

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ハードメープル

ハードメープルHard maple

北米が主な産地であるカエデ科の広葉樹で、樹液はシロップなどの材料としても有名です。木肌は明るめの白みがかった色をしています。特徴としては衝撃や摩擦に強く楽器やバットなどの素材としても利用されている樹種です。木目にはシュガースポットと呼ばれる樹液で出来た筋や点状の色変化が起こり、バーズアイズと呼ばれる鳥の目のような模様が表れた素材は特に希少価値が高いとされます。経年変化は時間とともに少し黄みが強く濃くなっていきます。

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アルダー

アルダーAlder

北米やヨーロッパに分布するカバノキ科の広葉樹で、木目や節の主張が強くないため家具材としても人気のある樹種です。木肌の色は淡い紅褐色でナチュラル系家具素材の代表格とも呼べる樹種です。柔らかさを持った樹種で加工がしやすいのも特徴です。耐水性は低い樹種なので、水気がなるべくつかないようにご注意ください。時間とともに、明度が上がり紅褐色から白みが強い木肌へと変わってきます。

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ビーチ

ビーチBeech

世界中に分布しているブナ科の広葉樹で、きめの細かい木目と淡くピンクがかった白い色の樹種です。以前は乾燥不足での反りなどが起こりやすく使い辛い樹種でしたが、現在は堅さがあり、しなやかなため曲木などにも使いやすく椅子などの材料として使われることが多い材料です。経年変化は時間とともに赤みが薄くなり、少し黄みが強く出てくるようになります。

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タモ

タモAsh

北海道の他、中国やロシア、朝鮮半島などに分布するモクセイ科の広葉樹で、木材の深くまで木目がはっきりと表れ、根本から先端まで均質な木目が取れる材で、灰色がかった明るい褐色です。
枝下が長く、正円に近い形で生長するため材料ロスも起きにくく、強度と弾力性と粘りを持っていますが、加工には技術が求められる材料です。時間とともに、色味が徐々に増していき黄色味を帯びた少し濃い褐色に変化していきます。

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バーチ

バーチBirch

世界中に分布しているカバノキ科の広葉樹で、木目の主張が強くないが均等で緻密な美しい木目を持った樹種で、肌色に近い薄い褐色でサクラの木目と似ていることから、代用として使われることもある樹種です。板の狂いも少なく、キズや水にも強く加工もしやすいため、家具材として使われます。経年変化は少なく、印象が変わりにくいこともこの材料の特徴です。

パイン

パインPine

マツ科の針葉樹で、日本でもおなじみの素材です。木肌は素朴で節が多く黄白色で、ナチュラルで温もりのある印象を与える樹種です。柔らかく加工もしやすいことから家具材だけでなく、建材など幅広い用途で使われる樹種です。柔らかいため、キズに弱いといった特徴があります。時間とともに、色味が徐々に増していき飴色の落ち着いた色合いへと変化していきます。

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センダン

センダンChinaberry

ヒマラヤ~朝鮮半島や日本でも幅広く分布しているセンダン科の広葉樹で、黄褐色で木目ははっきりと強めに出て、ケヤキと似ていることから代替材としても使われます。センダンの特徴は生長の早さと二酸化炭素の吸収力が高く、堅く加工性も高いことで大川では家具材として注目されています。

桐

Paulownia

世界中に分布しているゴマノハグサ科の広葉樹で、栽培で育ったものは荒さのある木目が特徴で磨くと光沢を帯びます。桐の最大の特徴は軽さと調湿効果です。防虫成分であるタンニンも多く含まれるため引出などで良く利用されます。時間とともにタンニンの成分の影響で少しずつ黒ずんでいきます。

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突板と無垢材

家具材には様々な材料が使われますが、その中でも天然木は当店の家具の中で最も使用率が高い材料です。
その天然木でも、主に2つの材料が用途によって使い分けられます。それが突板と無垢材です。
良く耳にするのは無垢材という言葉で無垢材は高級素材として知られていますが、
突板という素材も実は高級家具にもたくさん使われている素材なのです。
それぞれに長所、短所があり、当店で取り扱う家具はその特性を活かして使い分けを上手に行い、
高い技術を注ぎ高品質でありながら、お求めやすい価格を実現しています。

突板

突板

突板とは天然木を薄くスライスしたものを指します。これを、芯材と呼ばれるMDFなどの表面に貼り付けて家具材として使用します。似た素材でプリント合板と呼ばれるものがありますが、こちらは木目を印刷したシートを貼り付けています。突板はプリント合板と違い、天然木をスライスしたものため、素材の質感がしっかり出ることが特徴です。

無垢材

無垢材

無垢材とは天然木を製材したそのままの素材のことを言います。無垢材は木そのものであり、そのため、素材感も強く、高級材として需要が高い理由です。樹種によって異なりますが、木材そのものなので、重量は突板と比べて、かなり重くなることと割れや反りなどが起こりやすいことも特徴です。

突板のメリットと
デメリットから見る用途

突板

メリット

  • 芯材は別のため、無垢材に比べ軽い
  • 割れ・反りなどが起こりにくい
  • 使用する木材が少なく安価に抑えられる
  • スライスなので木目を揃えやすい

デメリット

  • 薄い木材なのでキズに弱い
    (大きいキズは芯材が見えてしまう)
収納家具などの
本体に最適な素材

無垢材のメリットと
デメリットから見る用途

無垢材

メリット

  • 木材そのものなので質感が強く感じられる
  • キズに強い
  • 経年変化を感じられる

デメリット

  • 木材により変わるが重い
  • 材料費が高くなる
  • 割れ・反りに弱い
  • 材料による差が出やすい
テーブルや椅子、収納家具の装飾部に最適な素材

家具材と言えば無垢材への憧れを持つ方も多いかと思います。
ただ、突板も無垢材もそれぞれにメリットやデメリットがあり、作るものとの相性があります。
海外の高級家具の多くも突板を上手く利用して作っています。
S-selectが扱う多くの大川家具を中心とした国産家具は、
それぞれの長所を活かして最適な素材を見極め作ることで、高品質でお手頃な価格を実現しています。
椅子などの脚がある家具の脚部は強度が必要な箇所やデザイン上素材感をしっかりと伝えたい箇所には贅沢に無垢材を使用し、
収納部がある本体は突板で仕上げ、質感は活かしながら軽量化とコストダウンを図っています。
それぞれの特徴と家具への相性を見ながら家具選びをすると、手にする家具にきっと強い愛着を持っていただけると思います。

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