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箱物家具に欠かせない奥深い引き出しの世界

収納家具
箱物家具に欠かせない奥深い引き出しの世界

大川家具の主力である箱物家具の縁の下の力持ち 引き出し

こんにちは、オオカワセレクトです。
オオカワセレクトのある家具の街、福岡県大川市の地域特産品である大川家具は以前、箱物と呼ばれる収納家具の一つである指物づくりからスタートしたということをお伝えしました。
現在でも国産家具の一大産地として箱物家具づくりが盛んな地域です。
そんな大川家具の主力である箱物家具には欠かせない引き出しについて今日はお話します。

引き出しとは?

収納家具の主な収納部は大きく分けて3タイプあります。
オープンスペース、扉収納、そして、引き出し収納です。
オープンスペースは扉なしで本やフィギュアなどのオブジェを飾ったり、よく使う家電などを置くことが目的の収納スペースです。対して扉収納は、あまり普段中身を見せたくない大事なものなどを収納するのに適しています。いわゆる見せる収納と隠す収納をそれぞれ代表する収納方式です。
対して引き出しは、隠す収納の一つですが、扉ではなく、箱を引き出してその中に「もの」を入れることが役割です。その名の通り、前板に付けられた取っ手を手前側に引っ張ることで中身を仕舞ったり取り出すことができます。引き出し収納は代表的なタンス、チェストだけではなく、サイドボード、テレビボード、デスクなど幅広い箱物家具に使われる収納方式です。

引き出しの構造の紹介

引き出しは主に次のような構造になっています。
前板、垣板、向板、底板です。前板は文字通り、収納家具本体の前面についた板で、ある程度の厚みがあり、商品によっては無垢材を使うなど本体デザインと調和した板材が使われます。
垣板は引き出しの内部の横板、向板は前面と反対側の奥側の板、底板は引き出しの箱の底の板をそれぞれ指します。
垣板や前板の素材は調湿効果の高い桐材を始め、ファルカタ材など、底板はシナ合板などの種類の板材が主に使われます。
これらの板材を組み合わせて引き出しは作られますが、この引き出しは作り方が様々あります。
現在の大川の家具づくりの中心は、機械と職人さんの手作業のハイブリッド型です。そんな家具づくりの中でも職人さんの手が多くかかる工程の一つがこの引き出しづくりです。

引き出しの代表的な組み方

引き出しの組み方で代表的なものは、垣板と前板を直接接合する方法と、まず引き出し内部の箱を作った上で前板と接合する方法です。前者は組み立て家具などでもよく使われる組み立て方式で、後者は箱をまず作った上で前板を付けるので板材も多く必要になり少し手間が増えてしまいます。そして、収納部分も内箱の板の厚みの分狭くなってしまいます。しかし、その分引き出しの強度は高い組み方になります。この後者の組み方を箱組と言います。
デザイン上箱組ではなく、敢えて前板にも桐材を使用して丁寧に作り上げたものもあります。それぞれに良さがありますので、こだわりに合わせてお選びいただければと思います。

箱の組み方(ダボ組み)

ダボ組み:板同士の木口部分に木製のダボと呼ばれる杭のようなものを打ち込み、もう一方の板にダボを入れる穴を開けて木工ボンドで接合するオーソドックスな引き出しの組み立て方です。組み立て式家具の引き出しなどはこのタイプが多くなります。

箱の組み方(組み継ぎ)

もう一方は組み継ぎと呼ばれる組み方です。接合する板同士の木口部分を凸凹状に加工し、その部分を組み合わせて接合する方法です。形によってロッキング組みや蟻組などと呼ばれる、婚礼家具などの高級家具ではよく使われた手法です。ダボ組みと違って、板同士ががっちりとかみ合って接合されているため強度が高く、サイドから見た形の美しさが特徴です。
他にも組み継ぎの手法は、使われる場所などによっても幅広くあります。

まとめ

まだまだ書ききれない引き出しについてですが、箱物家具には欠かせない収納部です。
普段は全く見えない部分ですが、見えない部分にもこだわって家具選びをしたいですね。
今後も引き出しについては折に触れて記事を書いていきたいと思いますのでお楽しみに!

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